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自宅家賃・光熱費はどこまで経費にできる? 家事按分で失敗しないための考え方と注意点

「自宅で仕事をしているので、家賃や光熱費を経費にしたい」
個人事業主や小規模事業者から、非常によくある相談です。

結論から言うと、
自宅家賃・光熱費は条件を満たせば“一部のみ”経費にできます。
ただし、特に持ち家の場合は注意点が多く、安易な処理は危険です。


1. 基本は家事按分という考え方

自宅は
・生活の場
・仕事の場
が混在しています。

そのため、仕事で使っている割合だけを経費にする
家事按分(かじあんぶん)
という考え方を使います。

自宅=全額経費、という扱いにはなりません。


2. 賃貸住宅の場合の考え方

賃貸住宅では、
・仕事専用の部屋がある
・継続して事業に使っている
場合、家賃の一部を経費にできる可能性があります。

一般的には、
家全体の面積に対する
仕事スペースの面積割合
で按分します。


3. ワンルームは割合を低めに

ワンルームでも経費にできないわけではありませんが、
生活との区別がつきにくいため、
按分割合は低めになりやすいのが実務の感覚です。

「とりあえず半分」といった処理は、否認リスクが高くなります。


4. 光熱費は時間基準が一般的

電気代・水道代・ガス代などは、
その内容に応じで按分するケースが多いです。

電気代は80%、水道代とガス代は仕事で使わないので経費にしない
というように、支出ごとに合理的な基準を使い分けます。


5. 持ち家を会社の経費にする場合の大きな注意点

持ち家を会社に貸す形で経費にすると、
家賃を受け取った個人側(社長)に「不動産所得」が発生します。

たとえ少額でも、
家賃収入が発生すれば、原則として確定申告が必要です。

「身内だから問題ない」
「実際にお金が動いていない」
という扱いにはなりません。


6. 住宅ローン控除が使えなくなる点に注意

さらに重要なのが、
会社や個人事業の経費にした部分については、住宅ローン控除が使えなくなる
という点です。

住宅ローン控除は
「自己の居住用」が前提です。
事業用として使っている部分は、控除対象から外れます。

経費にした結果、
住宅ローン控除が減って損をするケースも少なくありません。


7. 持ち家は「経費にすれば得」とは限らない

持ち家の場合、
・不動産所得が発生
・確定申告が必要
・住宅ローン控除が減る
といった影響があります。

そのため、
「どれだけ経費にできるか」ではなく、
トータルで得かどうかを必ず確認する必要があります。


まとめ

自宅家賃・光熱費の経費判断は、
特に持ち家の場合、慎重さが求められます。

・家事按分で一部のみが原則
・持ち家を会社に貸すと不動産所得が発生
・不動産所得があれば確定申告が必要
・事業用部分は住宅ローン控除が使えない
・節税になるとは限らない

「経費にできるからやる」ではなく、
全体で見てプラスかどうかを判断することが重要です。

自己紹介

竹澤 直樹

竹澤 直樹

運営者プロフィール

税理士、コンサルタント
東京中央税理士法人 社員税理士(役員)WTA事業部長
合同会社ライズアビリティ 代表社員
フジ設計コンサルタント株式会社他、顧問先企業の取締役、監査役を歴任

高校卒業後に税理士を目指す。大原簿記専門学校卒業後、
田上会計事務所(現 東京中央税理士法人)で働きながら、
東亜大学大学院法学専攻(修士)を修了。
2015年税理士登録

趣味は、株式投資とゴルフ
土日は犬の散歩をしながら、リフレッシュしています。
猫もいますが、エサが欲しい時しか甘えてきません。

ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ

著書

「ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ」
(かんき出版)

運営会社

会社名
合同会社 ライズアビリティ
代表者名
代表社員 竹澤直樹
住所
埼玉県志木市本町5-23-24 第3本吉ビル4階
法人設立年月日
令和1年6月4日
資本金
100万円