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個人事業主、小規模事業者向け会計ソフトの選び方 失敗しない5つの基準を税理士が解説

会計ソフトを導入しようと思ったとき、多くの個人事業主が最初につまずくのが
「種類が多すぎて、どれを選べばいいかわからない」
という問題です。

実際、税理士として相談を受ける中でも、
「とりあえず安いから」
「名前をよく聞くから」
という理由で選び、あとから後悔するケースは少なくありません。

この記事では、個人事業主が会計ソフト選びで失敗しないための5つの基準を、実務目線でわかりやすく解説します。


1. 基準①「自分のレベル」に合っているか

会計ソフトには大きく分けて、
・初心者向け(感覚的に操作できる)
・会計寄り(簿記の考え方が前提)
の2タイプがあります。

簿記に慣れていない方が、会計寄りのソフトを選ぶと、
・仕訳の意味がわからない
・入力が止まる
・結局放置してしまう
という状態になりがちです。

反対に、初心者向けソフトは
「売上を入力する」「経費を入力する」
といった日常感覚で使える設計になっています。

まずは自分が“会計に詳しいかどうか”を正直に判断することが大切です。


2. 基準② クラウド型か、インストール型か

現在の主流はクラウド型会計ソフトです。
クラウド型とは、インターネット上で使うタイプの会計ソフトを指します。

クラウド型の特徴

・パソコンが壊れてもデータが消えない
・自動アップデートで税制改正に対応
・スマホからレシート撮影・入力ができる
・税理士とデータ共有がしやすい
・通信環境によっては動作が遅くなる

一方、インストール型は
・操作が昔ながら
・アップデート管理が必要
・データ共有がやや不便
といった特徴があります。

小規模事業者の場合、特別な理由がなければクラウド型を選ぶのが無難です。


3. 基準③ 銀行・クレジットカード連携ができるか

会計ソフトを導入する最大の目的は、
**「記帳をラクにすること」**です。

そのために重要なのが、
・銀行口座
・クレジットカード
・電子マネー
との連携機能です。

連携ができれば、
・入出金が自動で取り込まれる
・仕訳候補が自動表示される
・入力作業が大幅に減る
というメリットがあります。

逆に、連携機能が弱いソフトを選ぶと、
「毎回手入力で結局ラクにならない」
という結果になりがちです。

自分が使っている銀行・カードに対応しているかは、必ず事前に確認しましょう。


4. 基準④ 青色申告65万円控除に対応しているか

節税を考えるなら、個人事業主の青色申告65万円控除はぜひ取りたいところです。

そのためには、
・複式簿記
・貸借対照表・損益計算書の作成
・電子申告(e-Tax)
への対応が必須になります。

最近の会計ソフトは多くが対応していますが、
プランによって
・65万円控除に対応していない
・電子申告が別料金
というケースもあります。

「青色申告65万円控除に完全対応しているか」
ここは必ずチェックすべきポイントです。


5. 基準⑤ 将来の変化に対応できるか

小規模事業者の状況は、数年で大きく変わることがあります。

・売上が増える
・従業員を雇う
・消費税の課税事業者になる
・法人化を検討する

こうした変化に対して、
・法人用ソフトへスムーズに移行できる
・データを引き継げる
・税理士が扱いやすい
という点も重要です。

最初から完璧を求める必要はありませんが、
**「将来も使い続けられるか」**という視点で選ぶと失敗しにくくなります。


まとめ

個人事業主の会計ソフト選びで大切なのは、
「有名かどうか」よりも「自分に合っているか」です。

失敗しないための5つの基準は、
・自分のレベルに合っている
・クラウド型である
・銀行・カード連携が充実している
・青色申告65万円控除に対応している
・将来の変化に対応できる

この視点で選べば、会計ソフトは
「面倒な作業」ではなく「経営を支える道具」になります。

自己紹介

竹澤 直樹

竹澤 直樹

運営者プロフィール

税理士、コンサルタント
東京中央税理士法人 社員税理士(役員)WTA事業部長
合同会社ライズアビリティ 代表社員
フジ設計コンサルタント株式会社他、顧問先企業の取締役、監査役を歴任

高校卒業後に税理士を目指す。大原簿記専門学校卒業後、
田上会計事務所(現 東京中央税理士法人)で働きながら、
東亜大学大学院法学専攻(修士)を修了。
2015年税理士登録

趣味は、株式投資とゴルフ
土日は犬の散歩をしながら、リフレッシュしています。
猫もいますが、エサが欲しい時しか甘えてきません。

ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ

著書

「ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ」
(かんき出版)

運営会社

会社名
合同会社 ライズアビリティ
代表者名
代表社員 竹澤直樹
住所
埼玉県志木市本町5-23-24 第3本吉ビル4階
法人設立年月日
令和1年6月4日
資本金
100万円