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住宅ローン控除は年末調整でどう扱う? 初年度と2年目以降の違い・提出書類・実務上の注意点をわかりやすく解説

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末調整の中でも特に還付額が大きい制度です。
従業員にとってメリットが大きい反面、書類の提出漏れや理解不足により、年末調整でトラブルが起こりやすい項目です。

この記事では、住宅ローン控除の基本、初年度と2年目以降の違い、そして事業主が注意すべき実務ポイントをわかりやすく整理します。


1. 住宅ローン控除とは?

住宅ローンを利用して自宅を購入した場合、毎年の住宅ローン残高の1%(※制度変更により購入時期で異なる)が所得税から控除される制度です。
控除額は最大で10年〜13年続き、数十万円単位の節税になることもあります。

年末調整で処理することで、従業員は確定申告をしなくても還付を受けられるため、非常に重要な項目といえます。


2. 住宅ローン控除の“初年度”は確定申告が必要

最初に押さえるべきポイントは、住宅ローン控除の初年度だけは必ず確定申告が必要ということです。

初年度に必要な書類は、
・登記事項証明書
・住宅取得に関する契約書の写し
・源泉徴収票
・住宅ローンの年末残高証明書
・住民票
など、多岐にわたるため、年末調整では処理できません。

従業員には「初年度は確定申告が必要」という点を必ず説明し、書類準備を早めに案内しておきましょう。


3. 2年目以降は年末調整で処理できる

2年目以降は確定申告が不要になり、年末調整で控除が受けられます。
このとき必要な書類は以下の2つです。

・住宅借入金等特別控除申告書

初年度の確定申告後、税務署からまとめて送られてくる書類(2年目〜控除期間分)。

・金融機関発行の“年末残高証明書”

住宅ローンの残高が記載された重要書類です。

この2つを従業員から提出してもらい、会社側で年末調整に組み込みます。


4. 年末調整で起こりやすいミス

住宅ローン控除は提出書類が多いため、次のようなミスが非常に多く発生します。

■ ミス① 残高証明書の提出漏れ

金融機関から郵送されるため、従業員が保管場所を忘れがち。
再発行には時間がかかるため注意が必要です。

■ ミス② 初年度なのに年末調整で処理しようとしてしまう

初年度は必ず確定申告が必要です。
この勘違いが最も多く、税務署への問い合わせが毎年のように発生します。

■ ミス③ 控除申告書の年度違い

税務署から送られた書類を、別の年度分と混ぜて提出してしまうことがあります。
控除額が誤って計算されるため、必ず従業員へ年度の確認をお願いしましょう。

■ ミス④ 名義に関する誤解

夫婦共有名義の場合、控除は持分割合に応じて申請します。
申告書と残高証明書の名義が歯車のように一致しているか確認する必要があります。


5. 経営者・事務担当者が行うべきチェックポイント

住宅ローン控除は大きな還付につながるため、会社側の対応が従業員満足にも直結します。

チェック① 年度の書類が正しいか

送付される申告書には「何年分か」が明記されています。
誤った年度を提出すると控除ができません。

チェック② ローン残高と名義人の一致

名義が一致していないケースは控除対象外になるため必ず確認します。

チェック③ 控除期間の残年数

控除は10年(場合によって13年)あり、終了年度の確認も必要です。

チェック④ 提出期限を明確に伝える

書類が遅れると、年末調整が間に合わず、従業員が確定申告をしなければならなくなります。


6. 従業員への案内方法

会社として、次のような案内を従業員へ行うとトラブルを防げます。

・「住宅ローン控除初年度は確定申告が必要」と周知
・残高証明書は10〜11月に届くため早めに提出依頼
・申告書は年度を確認して提出
・書類を紛失した場合の再発行方法を案内

こうした丁寧な案内が、年末調整の混乱を大幅に減らします。


7. まとめ

住宅ローン控除は従業員の節税メリットが非常に大きい制度であり、企業としても正しく扱うことが求められます。

・初年度は必ず確定申告
・2年目以降は年末調整で処理可能
・残高証明書と申告書が必須
・名義・年度・控除期間の確認が重要

この4点を押さえておくと、住宅ローン控除に関するトラブルはほぼ防げます。
正しい情報を提供し、従業員が安心して年末調整を迎えられるようサポートしていきましょう。

自己紹介

竹澤 直樹

竹澤 直樹

運営者プロフィール

税理士、コンサルタント
東京中央税理士法人 社員税理士(役員)WTA事業部長
合同会社ライズアビリティ 代表社員
フジ設計コンサルタント株式会社他、顧問先企業の取締役、監査役を歴任

高校卒業後に税理士を目指す。大原簿記専門学校卒業後、
田上会計事務所(現 東京中央税理士法人)で働きながら、
東亜大学大学院法学専攻(修士)を修了。
2015年税理士登録

趣味は、株式投資とゴルフ
土日は犬の散歩をしながら、リフレッシュしています。
猫もいますが、エサが欲しい時しか甘えてきません。

ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ

著書

「ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ」
(かんき出版)

運営会社

会社名
合同会社 ライズアビリティ
代表者名
代表社員 竹澤直樹
住所
埼玉県志木市本町5-23-24 第3本吉ビル4階
法人設立年月日
令和1年6月4日
資本金
100万円