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- 副業している従業員の年末調整はどう扱う? 2ヵ所給与・確定申告・住民税の取り扱いをやさしく解説
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副業が一般化した今、年末調整で最も相談が多いのが「副業している従業員の扱い」です。
会社側としても、
・年末調整は必要?
・副業分の源泉徴収票はどう扱う?
・住民税は会社に知られる?
など、判断が難しい場面が増えています。
この記事では、副業従業員の年末調整を、実務目線でやさしく整理します。
1. 副業している場合、年末調整ができるのは“主たる給与”だけ
年末調整は本来、1社で給与を受け取っている人のための制度です。
しかし副業をしている従業員は、複数の給与を受け取っているため、年末調整の対象は「メインの勤務先のみ」になります。
◎ 主たる給与
→ 会社が年末調整を行う(通常どおり)
◎ 副業先での給与
→ 自分で確定申告が必要
副業がアルバイト・パート・業務委託など、形態に関係なく原則は同じです。
2. 年末調整で会社が確認すべきこと
副業従業員がいる場合、会社側が確認するポイントは次の3つです。
① どの給与が「主たる給与」か
一般的には、勤務時間・給与額が最も大きい会社が主たる給与となります。
② 副業先の源泉徴収票は“会社で使わない”
副業分を年末調整に含めてしまうと、誤った税額になってしまいます。
会社は受け取らない・確認しないが原則です。
③ 副業がある従業員には「確定申告が必要」と説明
従業員が知らずに未申告になってしまうトラブルがよくあります。
3. 副業の種類別|会社側の扱い
副業にはいくつかの形があります。扱いも少しずつ異なります。
■ ① アルバイト・パート(給与所得)
→ 副業分は源泉徴収票が発行され、従業員が確定申告する。
■ ② 業務委託・フリーランス(報酬)
→ 源泉徴収されている場合は「報酬の支払調書」が発行される。
→ こちらも従業員が確定申告。
■ ③ 物販・ハンドメイド・ライターなどの副業(雑所得・事業所得)
→ 所得が20万円を超えると確定申告が必要。
会社側は詳細を聞き取る必要はありませんが、確定申告の必要性については案内しておくと親切です。
4. 従業員が気にしがちな「バレる問題」
副業を隠したい従業員から必ず質問されるのが、
「会社に副業がバレますか?」
という点です。
結論は、住民税の通知でバレる可能性がある ということです。
住民税は前年の所得を基に計算されるため、副業で所得が増えると住民税額も上がります。
その住民税額が会社に通知される際、
「給与と明らかに金額が合わない」
という理由で気づかれるケースがあるのです。
5. 副業がバレたくない従業員への案内方法
副業のプライバシーを守るためには「住民税の自分払い(普通徴収)」に変更する方法が有効です。
従業員が確定申告をする際、
● 住民税は“自分で納付(普通徴収)”を選択すればよい
という案内をしておくとスムーズです。
ただし自治体によっては普通徴収にできないケースもあるため、確実な保証はできない点を伝えておくと親切です。
6. 副業している従業員への実務的な案内
会社としては、次のように周知しておくとトラブル防止につながります。
・副業がある場合、確定申告が必要になる場合があります
・副業分の源泉徴収票は会社では使用しません
・住民税については自治体の運用により会社へ通知される可能性があります
・副業を禁止している就業規則がある場合は必ず確認を
・税務相談は税務署または税理士へ
丁寧な周知は従業員の安心につながるだけでなく、年末調整の問い合わせ削減にも効果的です。
7. まとめ
副業をしている従業員の年末調整は、次のポイントを押さえればシンプルです。
・年末調整できるのは“主たる給与のみ”
・副業分は従業員が確定申告
・住民税の通知で会社に知られる可能性がある
・普通徴収を選ぶことでリスクを軽減できる
副業が当たり前になった今、会社側も正しく対応することが求められています。
自己紹介
竹澤 直樹
運営者プロフィール
税理士、コンサルタント
東京中央税理士法人 社員税理士(役員)WTA事業部長
合同会社ライズアビリティ 代表社員
フジ設計コンサルタント株式会社他、顧問先企業の取締役、監査役を歴任
高校卒業後に税理士を目指す。大原簿記専門学校卒業後、
田上会計事務所(現 東京中央税理士法人)で働きながら、
東亜大学大学院法学専攻(修士)を修了。
2015年税理士登録
趣味は、株式投資とゴルフ
土日は犬の散歩をしながら、リフレッシュしています。
猫もいますが、エサが欲しい時しか甘えてきません。
著書
「ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ」
(かんき出版)
運営会社
- 会社名
- 合同会社 ライズアビリティ
- 代表者名
- 代表社員 竹澤直樹
- 住所
- 埼玉県志木市本町5-23-24 第3本吉ビル4階
- 法人設立年月日
- 令和1年6月4日
- 資本金
- 100万円