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NEW資金繰り表の作り方——エクセルで今日から始める最小版

「売上はあるのに、なぜかお金が足りなくなる」

創業期の経営者から最も多く聞く悩みのひとつです。

原因のほとんどは「資金繰り表を作っていないこと」にあります。売上と利益だけを見ていると、実際の現金の動きを見落とし、気づいたら口座残高がギリギリ——というケースが珍しくありません。

この記事では、複雑なことは一切なし。エクセルで今日から始められる「最小版の資金繰り表」の作り方を、税理士がステップ形式で解説します。

資金繰り表とは何か——損益計算書との違い

損益計算書(P/L):売上から費用を引いた「利益」を管理するもの
資金繰り表:実際に口座に入ってくる・出ていく「現金」の動きを管理するもの

たとえば、100万円の売上を計上しても、入金が翌月や翌々月になる場合、その間は手元に現金がありません。利益が出ていても現金が不足する「黒字倒産」が起きるのはこのためです。

最小版の資金繰り表に必要な項目

難しく考える必要はありません。最小版で必要な項目は以下の3グループだけです。

① 月初残高

その月の始まりの時点での口座残高です。前月末残高と同じ数字になります。

② 収入(入金)

  • 売上入金(売掛金の回収含む)
  • その他収入(融資入金・補助金など)
  • → 収入合計

③ 支出(出金)

  • 仕入・外注費
  • 人件費(給与・役員報酬)
  • 家賃・光熱費
  • 通信費・サブスク
  • 税金・社会保険料
  • 借入返済
  • → 支出合計

月末残高 = 月初残高 + 収入合計 - 支出合計
この月末残高が翌月の月初残高になります。

エクセルで作る手順——5ステップ

STEP 1:列に月を並べる

B列〜M列に1月〜12月(または現在月から12ヶ月先)を入力します。A列には項目名を入れます。

STEP 2:行に項目を並べる

  • 1行目:月初残高
  • 2〜5行目:収入(売上入金・その他収入・収入合計)
  • 6〜12行目:支出(各費目・支出合計)
  • 13行目:月末残高(=月初残高+収入合計-支出合計)

STEP 3:月末残高を翌月の月初残高に自動反映させる

翌月の月初残高セルに「=前月の月末残高セル」という数式を入れます。これで月をまたいで自動的に残高が繰り越されます。

STEP 4:実績と予測を色分けする

すでに確定している数字(実績)と、これからの見込み(予測)をセルの色で分けておきます。
例:実績=白背景、予測=薄黄色背景

STEP 5:月末残高がマイナスになる月に色をつける

月末残高がマイナスになりそうな月は「条件付き書式」で赤くなるよう設定しておくと、資金ショートの危険信号をすぐに察知できます。Excelの「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「指定の値より小さい」→「0」で設定できます。

資金繰り表テンプレートをダウンロード(無料)
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1cykonvfc9eBkKrlia4haktu6TnTHTR3v/edit?usp=drive_web&ouid=105366243656456815008&rtpof=true

資金繰り表を使いこなす3つのコツ

コツ① 入金日・支払日を「実際の日付」で入力する

売上を計上した月ではなく、実際に口座に入金される月に記入します。たとえば「月末締め・翌月末払い」の取引なら、売上の翌月に収入として入力します。ここが損益計算書との最大の違いです。

コツ② 3ヶ月先まで常に見えるようにする

資金繰り表は「今月だけ」見ていても意味がありません。少なくとも3ヶ月先までの予測を常に入力しておきましょう。「来月は問題ないが、再来月は厳しい」という状況を早めに把握することで、融資相談・支払い交渉などの対策を打つ時間が生まれます。

コツ③ 月に一度、実績で更新する

月が変わったら、先月の予測を実績の数字に更新します。予測と実績のズレが大きい項目を確認することで、「なぜ思ったより残高が少ないのか」を把握できます。

資金繰りが悪化するサイン——早めに気づくために

  • □ 月末になると口座残高がギリギリになる
  • □ 売掛金の回収が遅れがちになっている
  • □ 支払いを翌月に先延ばしにすることが増えてきた
  • □ 利益は出ているのに手元資金が増えない
  • □ 税金・社会保険料の支払いを後回しにしたことがある

1つでも当てはまる方は、すぐに資金繰り表を作成し、税理士や金融機関に相談することをおすすめします。

まとめ:まず「最小版」から始めることが大切

資金繰り表は「完璧なものを作ろう」と思うと始められません。まずは月初残高・収入合計・支出合計・月末残高の4項目だけでも管理を始めてください。

  • 資金繰り表は「現金の動き」を管理するもの。損益とは別物
  • 入金日・支払日は「実際の日付」で入力する
  • 3ヶ月先まで常に予測を入れておく
  • 月末残高がマイナスになりそうな月を早めに察知する

「資金繰り表の作り方がわからない」「数字の見方を一緒に確認してほしい」という方は、志木駅から徒歩3分のレンタルオフィス+S(プラスエス)にお気軽にご相談ください。税理士が実際の数字を見ながら個別にサポートします。

自己紹介

竹澤 直樹

竹澤 直樹

運営者プロフィール

税理士、コンサルタント
東京中央税理士法人 社員税理士(役員)WTA事業部長
合同会社ライズアビリティ 代表社員
フジ設計コンサルタント株式会社他、顧問先企業の取締役、監査役を歴任

高校卒業後に税理士を目指す。大原簿記専門学校卒業後、
田上会計事務所(現 東京中央税理士法人)で働きながら、
東亜大学大学院法学専攻(修士)を修了。
2015年税理士登録

趣味は、株式投資とゴルフ
土日は犬の散歩をしながら、リフレッシュしています。
猫もいますが、エサが欲しい時しか甘えてきません。

ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ

著書

「ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ」
(かんき出版)

運営会社

会社名
合同会社 ライズアビリティ
代表者名
代表社員 竹澤直樹
住所
埼玉県志木市本町5-23-24 第3本吉ビル4階
法人設立年月日
令和1年6月4日
資本金
100万円