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税金を「後払い感覚」で考えると危険な理由 黒字なのに苦しくなる会社に共通する落とし穴

「税金は来年払えばいい」
「今は資金が必要だから、残ったら考える」

小規模事業者の現場で、非常によく聞く言葉です。
しかし税理士として見ていると、この考え方こそが、経営を一気に苦しくする原因になっています。

今回は、
なぜ“税金を後払い感覚で考えると危険なのか”
その理由を、実務の視点から整理します。


1. 税金は「後から発生するもの」ではない

まず大前提として知っておくべきことがあります。
税金は、
利益が出た瞬間に、すでに発生しているコスト
です。

確定申告や決算で金額が確定するだけで、
「その時に初めて発生するもの」ではありません。

この感覚がないまま事業を続けると、
・手元にあるお金を全部使ってしまう
・税金分が残っていない
という状態になります。


2. 起業初期ほど税金を甘く見てしまう

起業初期は、
・初めての確定申告
・初めての納税
という人が多く、税金のインパクトを実感しにくい時期です。

そのため、
「思ったより利益が出た」
「今月は余裕がある」
と感じたお金を、そのまま使ってしまいがちです。

しかし翌年、
・所得税
・住民税
・個人事業税
・消費税(該当する場合)
が一気に来ると、資金繰りは急に苦しくなります。


3. 黒字なのにお金が足りなくなる仕組み

実務で多いのが、
「決算書は黒字なのに、通帳にお金がない」
という状態です。

これは、
・税金を考慮せずに使っている
・納税時期と入金時期がズレている
ことが原因です。

帳簿上の利益と、
実際に自由に使えるお金は別物だ、
という意識がないと、この状態に必ず陥ります。


4. 税金を払うために借金するという本末転倒

税金を後回しにした結果、
・納税資金が足りない
・分納や延滞になる
・最悪、借入で税金を払う
というケースも珍しくありません。

これは、
利益が出ているのに、資金繰りでつまずく典型例です。

税金は、
「払えるときに払うもの」ではなく、
「最初から確保しておくもの」
という意識が必要です。


5. 税金を“見える化”している会社は強い

一方で、経営が安定している小規模事業者は、
税金を特別なものとして扱っていません。

・利益が出たら、税金分を別に考える
・毎月ざっくり税額を把握している
・「これは税金分だから使わない」と線を引く

こうしたシンプルなルールを持っています。

結果として、
納税時期に慌てることがなく、
資金繰りも安定します。


6. 税金対策より「考え方」が先

よくある誤解が、
「節税をすれば楽になる」
という考え方です。

もちろん節税は大切ですが、
それ以前に、
税金をコストとして捉えているかどうか
が重要です。

考え方が変わらないまま節税だけを追いかけても、
お金は残りません。


まとめ

税金を後払い感覚で考えると、
・黒字なのに苦しい
・納税が怖い
・資金繰りが不安定
という状態になります。

税金は、
・利益が出た時点で発生する
・最初から残しておくもの
・特別な支出ではない
という意識を持つことが、経営を安定させる第一歩です。

自己紹介

竹澤 直樹

竹澤 直樹

運営者プロフィール

税理士、コンサルタント
東京中央税理士法人 社員税理士(役員)WTA事業部長
合同会社ライズアビリティ 代表社員
フジ設計コンサルタント株式会社他、顧問先企業の取締役、監査役を歴任

高校卒業後に税理士を目指す。大原簿記専門学校卒業後、
田上会計事務所(現 東京中央税理士法人)で働きながら、
東亜大学大学院法学専攻(修士)を修了。
2015年税理士登録

趣味は、株式投資とゴルフ
土日は犬の散歩をしながら、リフレッシュしています。
猫もいますが、エサが欲しい時しか甘えてきません。

ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ

著書

「ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ」
(かんき出版)

運営会社

会社名
合同会社 ライズアビリティ
代表者名
代表社員 竹澤直樹
住所
埼玉県志木市本町5-23-24 第3本吉ビル4階
法人設立年月日
令和1年6月4日
資本金
100万円