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絶対黒字にしたいとき、どうすれば良い?

「借入したいので黒字決算にしたいです。何かできますか」

実際は赤字だけど、数字上だけでも黒字にしたいということがあります。
もちろん粉飾決算はダメですが、会計上の利益を増やす方法はいくつかあります。
なんとか会社を継続させるために、何ができそうか説明しました。

1.減価償却
 法人は減価償却してもしなくても良いです。減価償却費を計上しなければそれだけ利益が増えます。
 減価償却費がゼロだと明らかに利益を増やしたのがわかるので、半分だけ計上することなどもあります。
 なお、個人事業は強制償却なので調整できません。

2.固定資産の計上
 10万円以下の消耗品、青色申告だったら30万円以下の消耗品は一括で経費にできます。
 これをあえて経費にしないで固定資産で処理すれば経費が減ります。
 ただし固定資産にすると償却資産税の対象になります。

3.交際費
 飲食代などを交際費にせず、社長の個人的な利用だったことにします。
 経費にしない場合は、後で社長が会社にその分を返済しないといけません。

4.未払費用を計上しない
 クレジットカードで使った経費(当期に使って翌期以降に払う経費)などを費用として計上しません。
 払った時に経費にしていきます。

5.前払費用を計上する
 今期払ったもので翌期にかかるものを、経費ではなく前払費用にします。
 翌月の家賃や年一で払うものなどです。

6.棚卸資産
 通常は商品や仕掛品だけ計上しますが、それ以外の切手や会社案内、事務用品なども細かく数えて棚卸資産(貯蔵品)として計上します。
 細かいものが多いので、面倒な割に金額は大きくありません。

7.売上を前倒しで計上する
 受注ベースで先に売上を計上したいという相談もありますが、普通に粉飾です。
 契約書や請求書の作り方によっては計上できることもありますが、その場合は原価(外注費など)も紐づいて計上しましょう。

8.消費税を計上しない
 税込み経理をしている会社は、消費税の負担分を租税公課という経費科目で計上します。
 ただし消費税の支払いは決算後なので、この租税公課を計上しなければ経費が減ります。
 税理士としては税金が計上されていない決算書はありえませんが、かなりインパクトはあります。

他にもいくつかありますが、正直に赤字決算を作って融資がダメになるくらいなら、無理しても黒字化の手立てをすべきです。

銀行も赤字会社には貸せないので、なんとか黒字にして欲しいというのが本音ですから。

自己紹介

竹澤 直樹

竹澤 直樹

運営者プロフィール

税理士、コンサルタント
東京中央税理士法人 社員税理士(役員)WTA事業部長
合同会社ライズアビリティ 代表社員
フジ設計コンサルタント株式会社他、顧問先企業の取締役、監査役を歴任

高校卒業後に税理士を目指す。大原簿記専門学校卒業後、
田上会計事務所(現 東京中央税理士法人)で働きながら、
東亜大学大学院法学専攻(修士)を修了。
2015年税理士登録

趣味は、株式投資とゴルフ
土日は犬の散歩をしながら、リフレッシュしています。
猫もいますが、エサが欲しい時しか甘えてきません。

ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ

著書

「ひとつひとつていねいに会社の数字を学ぶ」
(かんき出版)

運営会社

会社名
合同会社 ライズアビリティ
代表者名
代表社員 竹澤直樹
住所
埼玉県志木市本町5-23-24 第3本吉ビル4階
法人設立年月日
令和1年6月4日
資本金
100万円